第2章:パーソナルカラー診断

この章では、パーソナルカラー診断に必要なもの、診断に適した環境、パーソナルカラー診断の方法を学んでいきます。

パーソナルカラー診断に必要なものとは?

パーソナルカラー診断に必要なものは4つあります。

1つでもかけてしまうと、適切に診断ができなくなってしまうので、パーソナルカラー診断を行う際には4つ全てを準備するようにしましょう。

①ドレープ

パーソナルカラーは「ドレープ」と呼ばれている布を顔の下にあてて診断していきます。

ドレープは、透けていない素材で両肩に掛かって上半身を覆う大きさがベストです。色の種類は、4シーズンの色が32色ずつ計128色あります。

②ケープ

ドレープをあてた際に洋服の色が見えてしまうと、パーソナルカラー診断に影響が出てしまいます。

白のケープもありますが、洋服の色が見えない黒いケープがおすすめです。

③イス

背もたれのある、寄りかかれるようなイスが必要になります。

ドレープをかざしやすいように肘置きがないものがおすすめです。パーソナルカラー診断を受ける人がスカートの場合には、膝かけを用意してあげると親切です。

④姿見

ドレープが上半身を覆うので、上半身が映れば問題ありません。しかし、全身のバランスを確認できるように、全身が映る大きさの鏡があるとよりよいです。

パーソナルカラー診断の3つの条件

①白色灯の下で診断をする

診断は、ナチュラルな色の白色灯の部屋で行うようにしてください。

オレンジや青みなど、色のある照明はその光で診断に影響が出てしまいます。

②ナチュラルメイクで診断をする

基本的には、ノーメイクの方が診断はしやすいですが、診断を受ける人にノーメイクになってもらうのは難しいことが多いです。

パーソナルカラー資格は仕事に活かすことを目的としているので、メイクをしたまま診断をすることのできる技術を身につけていきましょう。

③服装は自由

服の上からケープを付けるので、診断を受ける人の服装は自由でも問題ありません。

診断の妨げになる以下のものは、事前に伝えておき、避けてもらったり外してもらうようにしてください。

  • 首の詰まったシャツ・ハイネック
  • イヤリングや短いネックレス
  • カラーコンタクト
  • メガネ

診断をする人の服装の注意点とは?

  • 長いネックレスは、診断を受ける人の頭に当たってしまうこともあるので注意が必要です。
  • 鮮やかな色を着ていると自分の服の色が鏡に映り込んでしまいます。診断しづらくなってしまうので、モノトーンやダークカラーなどの落ち着いた色を着るようにしましょう。

パーソナルカラー診断の方法

ここでは、実際にパーソナルカラー診断を行うときの方法を解説していきます。

診断の準備

①イスに座る

診断をする人に、イスの背もたれに軽く寄りかかるように座ってもらいます。少し斜めになることで、ドレープが落ちづらくなります。

②前髪を留める

顔がよく見えるように、前髪はクリップなどで留めさせてもらうのがよいです。

③ケープをつける

パーソナル診断を受ける人にケープをつけます。洋服の色が見えないように、両肩まで隠すようにします。

丈の長いスカートなどの色が診断に影響する場合には、スカートにも白いタオルをかけるとよいです。

診断方法

テストドレープをあてて顔映りを見る

9種類のテストドレープのうち1種類を選んでいきます。

診断を受ける人に「スプリング・サマー・オータム・ウィンター」の4シーズンの色をあてて、下記のチェックリストに沿って診断をしていきます。

数種類のテストドレープで診断を行っていきますが、テストドレープだけで診断結果に導けないときは、その他のドレープを使って診断をしていきます。

ドレープでチェック!

✅ 肌のムラが一番出にくいドレープとは?

肌表面の色ムラを見ていきます。合わない色をあてると、色ムラが目立ちます。

✅ 肌の表面が一番きめ細やかに見えるドレープは?

肌表面のツヤ感・キメの細かさを見ます。合わない色をあてると、ツヤがなくなったり乾いた印象になります。

✅ シミ、シワ、クマ、ほうれい線が目立たないドレープは?

肌のネガティブな要素が目立つか目立たないかを比較していきます。合わない色をあてると、ネガティブな要素が目立って見えます。

✅ 顔全体がたるみなく、引き締まって見えるドレープは?

顔の立体感を見ていきます。合う色をあてると、立体感が出て引き締まって見えます。

✅ 瞳が綺麗に輝くように見えるドレープは?

瞳の印象を見ていきます。合う色をあてると、目の印象が強くなります。

✅ 肌との立体感が感じられて、色の強さ・バランスがよいドレープは?

色が馴染むかどうか、色の強さ・バランスを見ていきます。合う色をあてると、肌とドレープに一体感があって視線が自然に流れます。

ベストカラーを見つける

ベストカラーとは?

パーソナルカラーを診断したあとには、ベストカラーを提案します。

診断を受ける人に該当するシーズンの中から、おすすめの色(きれいに見える色、診断を受ける人の希望のイメージに近づける色)を2~3色提案していきます。この色がベストカラーです。

診断方法

128色のドレープのうち、該当するシーズンカラーのドレープを全てあてていきます。

以下のチェックポイントに沿っておすすめの色を見つけていきます。

提案

パーソナルカラー診断を受ける人が、どのような目的でパーソナルカラーを知りたいのか、その目的や希望に合わせて2~3色を選んで提案します。

流行に合ったアイテムなどを、服装のマナーなどを踏まえて具体的に提案していきます。

診断結果が出せないときは?

テストドレープで診断結果が出せない場合には、以下の方法で診断を進めていきます。

比較に適した色も紹介していきます。

ベースが絞れない場合

ベースが絞れない場合には、4種類のドレープでベースを比較していきます。

ベースを絞り込むには、色相による馴染みの違いを確認していきます。色相以外の要素をできるだけ近づけた2色で、黄み、青みの色を選んで比較していきます。

①金銀ドレープでの比較

イエローベースは金、ブルーベースは銀が似合うので、ベースを絞り込みやすい色です。

②代表色での比較

2色とも高彩度で暖色、明度が近いという共通項があります。条件を揃えることで、ベースが絞り込みやすくなります。

③ベーシックカラー(高明度)での比較

明度が高く彩度が近い2色で、色相のみによる変化を確認していくことができます。

④ベーシックカラー(低明度)での比較

明度が低めのベーシックカラーを比較して、色相による変化を見ていきます。

ベースが絞り込めた場合

イエローベース同士で比較

同じイエローベースでも、スプリングは高明度・高彩度の清色が得意です。オータムは低明度・低彩度のに濁色が得意です。

ブルーベース同士で比較

同じブルーベースでも、サマーは高明度・低彩度の濁色が得意です。ウィンターは低明度・高彩度の清色が得意です。

パーソナルカラー診断の4つの指針とは?

普段目にする色は、どんな要素で構成されているのでしょうか。

ここでは、パーソナルカラー診断に必要な色彩の基本知識を学んでいきます。

色の性質

色相、明度、色度を「色の三属性」とよんでいます。

パーソナルカラーではこれらに加えて、清濁という指針を加えて判断していきます。

指針①色相

色相とは、赤や青、黄のような色みのことをいいます。

大きく分類すると「赤・橙・黄・緑・青・紫」の6つの系統に分けられます。同じ赤でも、さらに細かく色相が分かれます。

指針②明度

明度とは、色の明るさの度合いのことをいいます。

明度が高い(明るい)ほど白っぽい色、明度が低い(暗い)ほど黒っぽい色になります。最も明度が高い色は白、最も明度が低い色は黒です。

指針③彩度

彩度とは、色の鮮やかさの度合いのことをいいます。

最も彩度が高いのが純色であり、純色に白やグレイ、黒が混入するほど彩度は低くなります。彩度が高いほど派手になり、彩度が低いほど地味になります。

指針④清濁

清濁とは、色の濁りの度合いのことをいいます。

純色に白のみまたは黒のみが混ざった色を清色、グレイが混ざった色を濁色とよんでいます。色の清濁の違いが肌との色の馴染みに影響します。

確認問題

第2章で学んだことを確認してみましょう。