第1章:コーチングについて

コーチングとは

最近よく耳にする【コーチング】という言葉。

あなたは【コーチング】ときいて、なにをイメージしますか?
きっと、体育会系の部活で、監督が部員に指導するイメージを思い浮かべる方が多いかと思います。

でも実はこれ、【ティーチング】です。

これから8章に渡って詳しく説明していきますが、【コーチング】はザックリいうと、教えないアプローチ方法です。
相手(子供)から、やる気や夢、自発性を引き出すことです。

上手にそれらを引き出すことによって、子供たちは自分で問題を解決しようとしたり、実現したい目標・夢に向かって、自ら行動するようになります。

ですが、すぐに解決したり、こんな行動をしよう!と明確な答えが簡単にでるとは限りません。
解決するための方法を考えることから逃げてしまったり、全然違うことを答えてしまったりするかもしれません。

でもそんな時に、ちゃんと話を聞いて、根気強く寄り添うのがコーチの役割です。
答えはいつも本人(子供)の中にあるので、焦らず、ゆっくり時間をかけてサポートしていきましょう!

コーチングの目的

今回、あなたがコーチングを勉強しようと思った目的はなんでしょうか?
コーチングの目的は、人それぞれだと思いますが、大きく分けて3つあります。

1つ目は、【キャリアアップ
コミュニケーション力をアップさせたり、資格取得のため。

2つ目は、【ビジネス
部下や後輩育成のためや、起業、独立、業績をあげるため。

3つ目は、【教育
子供を育てる上で、自己肯定感や魅力をアップさせたり、人間関係をよくするため。

日本では、【ビジネス】で使われているイメージが強いですが、実は【教育】にも非常に効果的です!

コーチングの原則

コーチングの原則は、全部で3つあります。

①1人1人をちゃんと見る
ほとんどの人が経験者だとおもいますが、日本で学校生活を送る上で「協調性」はとても大事かと思います。特に女の子だと、仲のいいグループで浮かないように、周りに合わせることもしばしば…。そんな時よくあるのが、先生から「君たちのグループは〜」とまとめて何かを言われることです。

でも実際は、1人1人違いますし、先生からすると、みんな同じ考えをもって行動していると思うのかもしれませんが、話を聞いてみると違うこともあります。なので、決めつけずに、必ず1人1人を見て・話を聞いて、その子にあった接し方を行いましょう。

②子供たちの可能性を信じる
コーチは、「子供たちがやりたいこと=必ず実現できる!」と信じましょう!

③決して見捨てない
どんなに上手くいかなくても、ポジティブに子供たちと関わりましょう
失敗しても、挑戦したことを認めて、「次はどうしようか?」と明るく前向きな姿勢で聞くのもいいです!

コーチングで期待できること

先程の3つの原則を守り、コーチングを行うことで、子供たちは「安心感」や「心に余裕」が生まれます。
また、夢に対して「どう行動すればいいのか。」「今なにをしたらいいのか」なども見え、【夢を叶えるパワー】が磨かれていきます!

どんなコーチを目指すか

あなたは将来、どんなコーチになりたいですか?

コーチになるためには、コミュニケーション力ももちろん大事ですが、1番大切なのはコーチのあり方です。
「まだ小さいから。」「そんな難しいことを言っても無理か。」「教えてあげないと。」と思っていると、知らぬ間に態度に出てしまい、「○○すればよかったのに。」「だからできなかったんだよ。」などマイナスな発言が出てきてしまいます。

コーチが、子供のことを「夢を叶えられる人」ととらえないと、コーチとして子供を目標のゴールまで導けません。コーチは、何があっても【相手(子供)の可能性を信じる】ことが大切です。

コーチングの歴史

コーチング】は、アメリカ発祥だと言われています。1992年にコーチを育成するための「coach university」が生まれ、その後1997年頃から日本でも認知されるようになりました。

企業で取り入れ始めたのは、2000年頃からで、「部下の指導の為に上司が受講」したり「人材育成の研修」として採用がスタートしました。

コーチの語源

Coach」という言葉が登場したのは、1500年代。
はじめは、「物や人を目的地まで運ぶ馬車」を意味していました。
ですが、そこから「大切な人を目的地まで送り届ける」という意味に変化。

近では、相手を望むゴールまで導く「指導者」という意味合いで使われるのが一般的です。誰かの目標達成を支援して、サポートし、相手の言葉に耳を傾け、望むところまできちんと送り届ける。それが、コーチの役割です。

コーチングの基本プロセス

目標達成までに、相手や目標にもよりますが、大体数か月~長くて1,2年という期間を必要とします。
その間コーチは、適当に思いついたままコーチングをするのではなく、5つのプロセスに沿って質問をしていきます。

準備
子供の話をしっかり聴いて、信頼関係を築きます。
コーチングを受けたい理由を把握し、子供が望むテーマでコーチングを行っていきます。

①目的を明確に

達成したい目的や目標を具体的にします。
ここで聴いたゴールに向かって、これからコーチングを進めていくので、曖昧なままではスタートできませんそのため非常に大切なプロセスです。

②現状を把握

目的・目標に対して、今がどんな状況なのかを明確にします。
現在の位置と、ゴールの位置を確認して、それまでの道のりを把握します。

③ギャップを埋める行動を考える

目標としている自分と、今の自分のギャップを埋めるために、何をしたらいいのか。必要な行動を探ります

④具体的に計画を立てる

ギャップを解消して、ゴールに到着するための行動を1つずつ区切り、プランを立てます。
でも、コーチが作るのではなく、子供から引き出して作っていきましょう。

⑤結果の振り返り

行動した結果を振り返ります。うまくいったり、いかなかったりしますが、うまくいけば、次のステップへ。行かなければ、また②番から繰り返しです。

※ただし、必ずしもこの順番通りに進めないといけないわけではありません。時には、番号が前後することもあるでしょう。大切なのは、根気強く行うことです。

コーチングの対象年齢

コーチング】は、「社会人のためのもの」と思う人が多いようですが、オランダでは、教育のベースにコーチングを利用しています。

例えば、学校は自分が行きたいところへ行き、勉強も自分が学びたいものを選びます。日本のように、みんなで1つのテーマに対して取り組むのではなく、個人個人の能力に応じた学習をしているそうです。

さらに、自分がたてた計画や課題に対して評価するのも自分、振り返りをするのも自分。本当に、すべてにおいて子供たちが考えるので、オランダの子供たちは、自己肯定感が高く幸福度が高いそうです。(2013年度/ユニセフ・先進国における子供の幸福度調査で、オランダの子供たちの95%が幸せだと答えた。)

オランダの子供が実践するPDCAサイクル

子供のころからコーチングを受けることで、自分で正解を導き出すようになり、【自分軸】が育ちます。

確認問題

第1章で学んだことを確認してみましょう。