第6章:行動心理学を役立てる方法

魅力的に見せるテクニック

初対面では「見た目」に気を配る

初対面の人によく思われたいというのは、誰もが思うことです。そのためには、なんといっても第一印象が決め手となります。

人が、相手についてのイメージを固めていく過程を「印象形成」といいますが、これには第一印象のインパクトが後々まで強く影響します。これを「初頭効果」といいます。

さらに、人は第一印象によってつくり上げられたイメージに沿うように、その人の印象を固めていきます。これが確証バイアスです。そのため、第一印象のイメージを覆すのが難しくなります。

実践ポイント①:身なり・表情・話し方に注意

身なり

  • 身だしなみを整える
  • 清潔感、TPOを意識する

表情

  • 笑顔を心掛ける
  • 鏡で笑顔の練習をする

話し方

  • ハキハキと明るく話す
  • 聞き取りやすい速さで話す

アメリカの心理学者メラビアンは、相手に対する好感度が「表情55%」「話し方38%」「話の内容7%」から決められるという法則を見出しました。中身が重要といっても、人は見た目で判断してしまいます。

実践ポイント②アピールポイントは先に伝える

  • 卑下した場合:私は頑固でプライドが高い。前向きに努力するタイプです。友達や家族も大切にします。
  • 長所から伝えた場合:私は友達や家族を大切にします。努力家で前向きなタイプです。プライドが高くて頑固です。

心理学者のアッシュが行った初頭効果の実験では、情報が同じでも伝える順番を変えてみると、先に伝えた情報がその後の印象にまで影響することがわかりました。自己紹介では卑下せずに、長所から伝えるようにしましょう。

実践ポイント③ギャップ萌えを狙う

普段、無愛想・怖いと思われている人が、ふとしたときに優しい言動をとるとそのギャップにドキッとする人もいます。しかし、ギャップ萌えは露骨にやりすぎると逆効果なので、注意が必要です。

初対面でよい印象を持たれていなくても、最新の評価が第一印象を覆して印象を決めることもあります。さらに、ずっとプラスよりも、マイナスからプラスに印象が変わる方が好感度は高くなります。

ポジティブに過ごすテクニック

明るい色の服で気分も明るくなる

誰にでも好きな色があって、何か物を購入するときや手持ちの服を選ぶ時などには、無意識のうちにその色を選んでいます。

そもそも色彩と人の心は深く関係があり、好きな色によって性格がわかったり、どんな色を選ぶかによってもそのときの気分や心理状態がわかります。普段であれば青を選ぶのに、なぜかピンクを選んだという場合には、その時の心理状態が影響しているからです。

逆に、色によって自分の心に働きかけることも可能であり、相手に与える印象を操作することもできます。

実践ポイント①シルバーアクセサリーで女性らしさを

シルバーやゴールドのアクセサリーのどちらを選ぶかで、意味するものや印象が異なる。女性らしさをアピールしたい場合にはシルバー、キラキラと輝きたいならゴールドを選びましょう。

  • シルバー:月をイメージしていて、女性らしさを象徴する色です。無意識や直感、本能がキーワード。
  • ゴールド:太陽をイメージしていて、男性らしさや意識がキーワード。身につけていると明るくパワフルな印象になります。

実践ポイント②茶色のスーツで頼れる上司に

黒・紺のスーツが人気なのは、知的で落ちついて見えるからです。フレッシュな印象を与えたい場合には緑、冷静さをアピールしたい場合は青のスーツがおすすめです。

  • :重工で威厳がある印象。無限の底力やバイタリティのある人物として見られる。頑固なイメージを与えることもあります。
  • :大人を象徴する色。大地をイメージしており、堅実で安定感・安心感のある印象になります。
  • グレー:控えめで穏やかな印象を与えますが、退屈そうに見えてしまったり、疲れているように見えることもあります。

実践ポイント③清楚に見せたい場合は白を着る

合コンは自分をアピールする場です。なりたい自分、気分に合わせて服の色を選びましょう。紫なら妖艶に、黄色なら社交的な印象を与える。

  • :清純で無垢なイメージ。癒し系になれる。真面目で正義感の強い、潔癖なタイプに見えることもあります。
  • ピンク:思いやりがあって、愛情豊かな印象。薄い色では頼りなさそうに、派手な色では性的に奔放なイメージに映ります。
  • :情熱的で強い愛情を持った人と見られます。しかし攻撃的、または性的欲求が強いという印象を与えることもあります。

仕事で成功するテクニック

状況に合ったリーダータイプ

職場でリーダーに抜擢されたときに「俺についてこい」という強いタイプで行くのか「皆仲良くやろう」という思いやりタイプでいくか迷うこともあります。実は理想的なリーダー像とは、状況によって変わっていきます。

これを具体的に示したのが、社会心理学者の三隅二不二が提唱した「PM理論」です。

  • P=目標達成機能(パフォーマンス機能)
  • M=集団維持機能(メンテナンス機能)

この2つの機能の組み合わせによって、集団の方向性とリーダーが決められていきます。

実践ポイント①集団を統率して目標達成する「PM型リーダー」

P機能、M機能が共に高く、最も強いリーダーシップをを発揮していきます。積極的に行動を起こして、生産性を高めることができます。人間関係も良好に保つことができるので、メンバーのやる気や満足度も高いです。

実践ポイント②集団をまとめられる「pM型リーダー」

P機能が低く、M機能が高い。仕事を進める力が弱く、生産性は低いが人間関係を重視するので面倒見はよいです。会社の業績がよく、人間関係がよくないときや、作業内容が決まっている場合に適しています。

実践ポイント③的確に指示を出す「Pm型リーダー」

P機能は高いものの、M機能が低いです。メンバーに厳しく理解を示さないので、メンバーの満足度が低く不満が溜まりやすい一方で、リーダーは目標を達成するためには強力に働きます。経営状態が悪い場合、メンバーに意欲がない場合に適しています。

恋を手に入れるテクニック

友達の一押しがトドメ!

自分の良さをアピールするには、友達に助けてもらうのも1つの方法です。人は、自分では良いと思っていても、今一つ判断に自信が持てない場合もあります。そのようなときに、友達や他人の評価を参考にします。

他人が良いと判断すると「自分と同じだ」とわかって安心します。これを「同調効果」といいます。

そこで、友達の出番です。意中の相手に自分のことを褒めてもらいます。人数は3人以上が目安であり、友達の一言で「定着液効果」が発揮されれば、成功率がアップします。

実践ポイント①友人から自分を褒めてもらう

人には、周囲と意見を合わせる同調心理があります。友人から自分のことを褒めてもらえれば、相手に好印象をあたえることができます。

1人、2人では効果が薄いですが、3人以上で効果がアップしていきます。しかし、露骨に褒めすぎると嘘っぽさが出てしまうので注意が必要です。

実践ポイント②同姓の友人からの後押しが良い

2人が良い雰囲気のまま進展しない場合には、友人から自分をおすすめしてもらうと、定着液効果によって相手は踏ん切りがつくこともあります。

たとえば、女性が男性からの告白を待っていても、中々告白してこない場合には、女性と男性の共通の友人に女性から後押しをお願いします。すると、男性側は決意して告白をしてくるといったようなことです。


人生において心理学がいかに重要か…

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