第2章:行動からわかる性格・心理

髪を触るのは甘えん坊

頭を撫でてもらいたい

人は心配事や不安があるとき、ストレスを感じたときに無意識のうちに自分を慰めたり落ちつかせたりする動作をします。これを「自己親密行動」と言います。

赤ちゃんや小さな子供は不安を感じると母親のおっぱいを吸ったり、抱っこや頭を撫でてもらうことで安心できますが、大人も基本は変わりません。

ただし、大人の場合には自分で無意識に対処していて、それが癖となって表れています。こうした癖は、退屈しているときや嘘をついているときにも見られるので、その見きわめが肝心です。

「すみません」が口癖

取り入るための謝罪

日本人は「すみません」という言葉を日常的に使っています。しかし、その意味は一つではありません。いわゆる「ごめんなさい」という意味もありますが「ちょっと失礼します」だったり、声をかけるために「あの、すみません」という場合もあります。

本来であれば「ありがとう」と言う方が良さそうな場面でも、つい「すみません」と言ってしまうこともあります。日本人の習慣と言ってしまえばそれまでですが「すみません」を連発するのには、いわゆる本音と建て前を使い分けている場合が多いです。

上司に叱責されたとき、本音では悪いと思っていなくても、とりあえず「すみません」と言った経験はありませんか?

自分を卑下する様子を見せる自己呈示の一種であり、上司に逆らうのは得策ではないので、謝って取り入ろうとする意図があります。

そのほかには、自尊感情が低い人、事あるごとに何でも自分のせいにする「自罰自責型性格」が強い人も「すみません」と連発する傾向があります。

謝らない人は内面が弱い

「すみません」と謝ってばかりの人がいるのに対して、自分から頑なに謝らない人もいます。自分が正しく、周囲や相手が悪いと責任を押しつけることがある。心理学ではこうした性格を「外罰他責型性格」と言います。

このタイプの人は自分に自信があって、神経が図太いのだろうと思いがちですが、実は真逆の場合が多い。内面は非常にもろく、弱い自分を他人に見せまいとして傲慢にも思える態度を取ってしまいます。

つまり、他人を激しく攻撃するのは過剰な自己防衛反応の表れです。素直に謝罪の言葉を口にできないので、謝るべきタイミングを逃してしまうことが多いです。

写真をアップして周囲にアピール

「いただきます」の前に写真を撮る

旅行に行ったり、テーマパークに行くようなイベントはもちろん、普段の食事やスイーツまで写真を撮る人が増えています。お店で料理が運ばれてきたら、箸をつける前にスマホで撮影する人をよく見かけます。

写真が趣味という人もいますが、そのほとんどは自分のSNS・ブログに写真をアップするのが目的です。こうした写真を投稿することで、現実の生活が充実している(リア充)様子をさりげなくアピールしています。

注目されたい

SNSに写真をアップするのは、心理学的に言うと「自己顕示欲求」「自己承認欲求」によるものです。自分を認めてほしい、受け入れてほしいという気持ちで、投稿写真に「いいね」をもらうことで安心したいのです。これ自体はよくある心理であり、内容が事実であれば問題ありません。

しかし自分で買ったものを、恋人や友人からのプレゼントだと偽るなど、虚栄心や自己顕示欲が強すぎるあまりに話を「盛る」人もいます。実生活を知る人には、嘘だとバレる確率も高いのにやってしまうのは、人に注目されたい願望が強すぎるからです。

人には他人より優位になりたいという欲求があります。有名人の目撃談や事件・事故など、自分やごく少数の人だけが知る情報をSNSに投稿してしまうのはこれが理由です。

社会心理学では人より優位に立つ要素を「社会的勢力」といって、これには情報をはじめ、財力や権力、地位、専門知識などが含まれます。

ただし、自慢したかっただけでは済まされない場合もあるので、情報の取り扱いには十分注意が必要です。

化粧で顔も心も外交的に

社会的な顔をつくる

女性同士の話では、スッピンで出かける限界点が話題になることがあります。ゴミ出しに行く時ですら化粧なしではNGと言う人もいれば、最寄りのコンビニまでなら化粧なしでもOKなど、女性には人それぞれ基準があります。

このように化粧をしないと外出できないとか、化粧なしで出かけられる範囲が限られるというのは、化粧をした顔が自分にとっての社会的自己であるからです。

会社や学校に行くときに化粧をするのは、社会的自己というある種の仮面をつくるためです。また、女性は化粧をすることで、自分に自信が持てるようになって、自然と発言数や積極的な行動が増えることは実験によっても立証されています。

ちなみに、家に帰って真っ先にメークを落とす人が多いのは、社会的自己を取り払って、私的自己つまり素の自分に戻るためでもあります。

遅刻魔は自己中心

遅れの原因は自己中心な考え

会社の同僚や友達に「遅刻魔」がいて迷惑している人も多いかと思います。

あるいは、自分がまさに遅刻魔で、しょっちゅう叱られている人もいるでしょう。遊びの約束であれば「仕方ない」で済まされますが、仕事となると話は別です。

では、遅刻魔の人が普段からだらしなく、常に問題児かと言うとそうではありません。実は、遅刻魔には真面目な人が多いです。約束は守ろうとしていますが、何らかの事情でできなかったとき、パッと切り替えて間に合わせる工夫をしたり方向転換ができません。

まじめさのベクトルが自分にだけ向いており、周囲の迷惑が見えていません。本人は真面目に取り組んでいるつもりなので悪気はなく、そのため性懲りもなく繰り返してしまいます。

布団の中は母親のおなかの中?

遅刻の原因が単に朝起きられないという人もいますが、これには裏があります。

理由を聞いてみると、起きられないというより目が覚めているのに布団の中が心地よくて、グズグズしているうちに時間ぎりぎりになってしまうとのことです。要は心地よい布団から出て、会社・学校に行くのがイヤというわけです。

深層心理では「布団の中=母親のおなかの中」とされている。温かくやさしい母親の胎内にいるような安心できる場所から出たくないので、グズグズしてしまいます。

これが理由であれば改善策があります。楽しみなイベント時に飛び起きるのと同じ原理であり、お気に入りのカフェでコーヒーを飲むとか、恋人にモーニングコールをするなど、自分の励みになるご褒美や楽しみを見つけることで、自然に起きれるようになっていきます。

確認問題

第2章で学んだことを確認してみましょう。


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