第12章までで、在宅副業ワーカー・在宅ワーカーとして継続的で安定した活動を行っていくための知識基盤を整えてきました。
ここまでの内容を踏まえて、活動に生かしてください。また、在宅ワークを取り巻く環境は、日に日に変化しています。これからも勉強を続けて、レベルアップを目指しましょう。
さて、第13章では番外編として「在宅ワーク中のSOS対応マニュアル」を掲載しています。実際に在宅ワークを行っていく上で困ったときに、参考になれば幸いです。
金銭面のSOS
在宅ワーカーにとって、特にトラブルが起こりやすいのは金銭面といえます。想定されるケースと対処法は以下のようなものです。
「期日を過ぎても報酬が支払われない！」
期日を過ぎても報酬が支払われなかった場合、まずは発注者にコンタクトをとってみましょう。発注者側の単純なミスである場合は、そこで解決するケースが多いです。
このとき、発注者から「すぐに支払います」という旨の返事があれば、何日までに支払ってもらうのかを明確にしておきましょう。本来ならばすでに払っているはずのものなので、特別な事情がなければ当日～3日以内で構いません。
発注者からの返事がない場合や、支払う意思が確認できない場合は書面で再度催促するのも有効です。メールなどのメッセージよりも相手が動いてくれる可能性が高まります。
発注者側のミス以外で故意に報酬の未払いが起こっていると考えられる場合は、法的な回収手段も検討してみましょう。
無料で相談できる先として、厚生労働省の委託事業である「フリーランス・トラブル110番」があります。匿名での相談も受け付けているので、ぜひ検討してください。
「赤字になってしまった！」
フリーランスとして在宅ワークを行っている場合、一年間の収支で赤字が出ることもあるかもしれません。その場合でも、必ず確定申告をするようにしましょう。
確定申告をすることで、青色申告の場合は「赤字を翌年に繰越す」ことができます。損失の繰り越しを行うことで、翌年利益が出た場合でも税金を抑えることができ、事業を立て直しやすくなるのがメリットです。
また、赤字になっている場合は在宅ワークでの所得がないということです。そのため、所得税として払っていた源泉徴収税があれば、確定申告をすることで還付を受けられます。
業務上のSOS
在宅ワークで案件を受注し業務を進めていくうえで、困ってしまう場面もあるでしょう。
よくあるケースと対処法は以下のようなものです。
「指示についてよくわからない点がある！」
指示の意図がわからないなど、案件遂行時に技術面以外の不明点があった場合は発注者に問い合わせましょう。
尋ねるときは、不明点を明確にします。「現時点で自分はどんな風な意図だと捉えているか」を付け添えて「これで合っていますか？」とすると、相手に伝わりやすくなるでしょう。
成果物を納品するタイプの案件の場合は、発注者の意図にそった成果物を作成する必要があります。意図が掴み切れないまま作業を進めてしまうと、最終的に大幅な修正が必要になってしまうかもしれません。そうなると、発注者に「修正指示を出す手間」をかけてしまうことにもなります。
早めの意図確認・方向性確認は、発注者にとっても在宅ワーカーにとっても重要なポイントです。遠慮せず尋ねましょう。
「業務上の用語や知識でよくわからない点がある！」
業務上の用語や知識でわからないことがあった場合、まずは関連キーワードを検索エンジンで検索してみましょう。
知っている単語の略語や別表現だった場合は、検索しただけで解決する場合も多いです。そうでなかった場合は、「（該当キーワード） とは」などで検索すると説明する記事が見つかります。複数の記事を読んで、情報の細かさや正確性に注意しながら理解していきましょう。
技術面でわからないことがあった場合は、「（関連キーワード） やり方」などのワードで検索して、表示されたWebページの中から自分が求める情報がないか探してみましょう。
また、今後も使いそうな技術であれば、関連書籍を購入して学習するといいでしょう。
「期限内に納品できそうにない！」
在宅ワーク中、急な体調不良や機材トラブルなどで、どうしても案件の期日に間に合わないことがあるかもしれません。もちろん、そんなことがないように努めなければなりませんが、どれだけ気をつけていても不測の事態は起こりえます。
その場合、期限に間に合わないとわかった時点で発注者に申告しましょう。業務遅延のお詫びをしたうえで、事情と、それを踏まえどういった対応をするか（いつなら間に合うかなど）をはっきり伝えてください。
余程（明らかに不誠実な理由である、何回も連続して期日を破っているなど）のことがなければ発注者も対応してくれるでしょう。