第2章:後悔しないために知っておきたい!在宅ワーク基本のキ!

第2章では、「在宅ワークの基本のキ」と題して、在宅ワーカーが最低限身に付けておきたい考え方や知識を学びます。

「在宅ワークは自由度が高い」というイメージを持たれる場合が多いです。しかし、「自由度が高い=楽」という訳ではありません。自由度が高いのは事実ですが、その分責任や自己管理能力が求められます。

在宅ワークの実際について学ぶことで、世間の先入観と実情を整理し、これからの働き方についてのイメージを具体的にしていきましょう。

在宅ワーカーとして働くメリットとデメリット

在宅ワークを始めるにあたって、メリットとデメリットを改めて整理しておきましょう。

在宅ワーカーとして安定して働くコツのひとつに、「メリットが最大になるような、かつ、デメリットをカバーできるような行動を心がける」というポイントがあります。これを実践するためにも、自分の中でメリットやデメリットを明確にしておくのが大切です。

大きなメリットは自由度の高さ

厳密に言えば、在宅ワークのメリットは人によって異なります。これは人によって「仕事に何を求めているか」や「どういった点でストレスを感じているか」が異なるためです。

しかし、あえて大きくまとめて言葉にしてしまうなら、「自由度の高さ」が挙げられます。

①時間的な自由度

在宅ワークの多くは、業務にあたる時間に関しての自由度が高いといえます。

もちろんこれは、完全に自由にやって良いというわけではありません。物を納品する案件ならば締め切りが、クライアントとの打ち合わせが必要なら時間的な約束が生じます。

しかし、「毎朝〇時から〇時までは必ず業務をしなければならない」というような、拘束は生じないケースが圧倒的に多いです。

この「時間的な自由度の高さ」は、これまでの主流だったフルタイム勤務にはないポイントです。これによって、フルタイムでは働くのが難しかった方でも自分に適した働き方ができます。時間的な拘束で感じるストレスが大きい方にとっても、魅力的だといえるでしょう。

②空間的な自由度

在宅ワークのメリットとして、時間的な自由度の他にも、空間的な自由度が挙げられます。こちらも在宅ワークの多くの案件に共通するポイントです。

「在宅」ワークといっても、自宅でしか行えない案件ばかりではありません。自分が集中しやすい環境を整えるために、カフェなどで作業する方も多くいます。パソコンがあればどこでも作業できる案件も多くあるので、自分の都合に合わせた場所で働けます

「決まった時間に必ず出社していなければならない」という空間的な制約から開放されることで、仕事とそれ以外の自分の生活とのバランスを取りやすくなるのが強みです。

また、自分に合った環境を整えやすいので、ストレスを最小限に抑えられます。

その他在宅ワークの魅力

在宅ワークには、先に挙げた自由度の他にも多数のメリットがあります。

例えば、在宅ワークは自分で決めた手順で業務を進められる場合が多いため、無駄を省きやすいのが特徴です。工夫次第でどこまでも効率を上げることができます。

また、一人で担当する業務の幅が広いケースが多いので、さまざまな知識が身に付きます。仕事を通してスキルを身に付けたい方にぴったりだといえるでしょう。

体力に左右されない業務が多く、誰でも働けるという点も魅力です。

そして、こうした在宅ワークのメリットのなかで、「どの点が一番魅力的に感じるか」は人によって異なります

現時点で、あなたはどういった点に魅力を感じているでしょうか。

これを意識すると、案件獲得や業務進行の上での方針を立てやすくなります。ぜひ一度、立ち止まって考えてみてください。

デメリットは不安定性

ここまで在宅ワークのメリットをご紹介しました。

しかし、何事にもメリットがあればデメリットもあります。在宅ワークのデメリットについても確認しておきましょう。デメリットを知ることで対策が立てやすくなります。

具体的な対策については第3章で学習するので、先に主なデメリットを学んでおきましょう。

①収入面の不安定さ

特に、副業として在宅ワークを始めたばかりの頃は、収入面が不安定になりがちです。

この大きな原因としては、そもそも経験がないため案件を獲得するハードルが高かったり、未熟さなどから仕事を継続して任せてもらいにくかったりすることが挙げられます。

在宅ワーカーが受注する多くの案件は、「業務委託」という形態をとります。業務委託とは、発注者が自身の業務を他者に仕事という形で委託することです。案件の発注者と在宅ワーカーが雇用関係を結ぶわけではありません。

そのため、そもそも発注者側に委託したい業務がない場合や、発注者から「このワーカーには任せられない」と判断された場合など、さまざまな理由で案件を受けられないケースがあります。在宅ワーカーは、案件を受注して働けない場合は報酬を得られないので、収入面が不安定になってしまうのです。

②保証が弱い

収入面以外にも、在宅ワークのデメリットとして、保証が弱いという点が挙げられます。

企業に雇用されて働く場合は、会社の保険や福利厚生制度を利用することができます。しかし、業務委託を受ける在宅ワークのみで働く場合は、福利厚生制度がありません。また、保険には自分で加入する必要があります。

さらに、在宅ワーカーは会社員と比べて報酬関連のトラブルに巻き込まれる可能性も高いのが実情です。万が一、報酬の未払いなどが起こってしまった場合でも、自分で動いて解決しなければなりません。

在宅ワーカーは、会社員と比べて全面的に保証が弱いため、生活に不安を抱きやすいのがデメリットです。

その他在宅ワークの不安要素

その他、在宅ワークをする上での不安要素も確認しておきましょう。

在宅ワークでは、何かわからないことがあったときにすぐ相談できる相手が見つからないケースが多々あります。不明点は自分で調べて解決していかねばならないので、苦手な方とっては大変な不安要素になるでしょう。

また、在宅で仕事をするとなると、仕事とプライベートの境目が曖昧になりがちです。プライベートに仕事が混ざってしまってストレスを感じる方も多くいます。

あらかじめ、考えられる不安要素について知ったうえで対策を講じることが大切です。

主な対策方法については、第4章で学びます。

在宅ワーク需要の実際

在宅ワークを始めるにあたって、メリットやデメリットを確認しました。

次は、実際にどんな場面で需要があるのかを学びましょう。実際の需要を知っておくことで、案件獲得の際にアプローチの手がかりになったり、生活の計画を立てやすくなったりします。

仕事自体は豊富にある

「在宅ワークを始めたいけれど、一歩を踏み出せない」と感じている方の中には、「本当に仕事があるのか? そして自分にもできるのか?」と不安に思っている方も多くいます。身近に在宅ワークをしている方がいないと、需要を実感しにくいせいもあるかもしれません。

実際のところはどうなのかについてですが、在宅ワークで募集されている案件自体は豊富にあります。クラウドソーシングサービスなどを少し確認するだけでも、未経験でも応募できるものも多数あることがわかります。

問題は、自分の希望する条件と募集要項がマッチするかどうかです。

また、中には極端に報酬額が低すぎる案件や作業量が多すぎる案件もあるので、見極めながら受注することが大切です。この際のポイントは第3章で学習しましょう。

在宅ワークの一例

「在宅ワークをしたい」と考えたとき、あなたが思い浮かべたのはどんな仕事でしょうか。在宅ワークといっても、案件によってその具体的な仕事内容は異なります。

在宅ワークの中でも募集が多い案件の概要を下記にまとめました。自分ならどれができそうか、または興味があるものはどれか、考えてみましょう。

今後も増えていくと予想される

在宅ワークについては、今後も需要が高まっていくと考えられます。

働き方改革という言葉はすでにある程度世間に浸透していますが、まだまだ課題は山積みです。さまざまな事情を持つ人が、それぞれにとってストレスの少ない働き方を実現できるように、今後も各方面で改革が進むでしょう。

特に、在宅ワークに関しては厚生労働省も推進している分野です。ガイドラインやリーフレットを作成して、在宅ワーカーを支援しています。また、在宅ワークの推進に伴って、ワーカー向けの民間サービスも多数登場しています。

これらの現状から、今後も在宅ワーカーへの発注は増えていくでしょうし、徐々に在宅ワーカーにとって働きやすい環境が整えられていくだろうと考えられます。

確認問題

第2章で学んだことを確認してみましょう。