第1章:秘書になるための心得

秘書になるための心得の前に「責任感」「協調性」は社会人としての基本です。社会人としての必要不可欠な資質を詳しく見ていきましょう。

社会人としての自覚

仕事をするということは、組織の中で単独で完結するものではありません。
多くの人が関係しながら進行され、仕事が遅れてしまえば仕事全体に支障を来してしまいます。

責任感

与えられた仕事を、責任感を持って最後までやり遂げるという事は社会人としてとても重要なことです。
また、最後までやり遂げることも大切ですが、どのような仕事にも期限・予算があり、指定されている条件の中で仕事をするという責任も出てきます。

協調性

組織の中で仕事をしていくということは、チームワークが重要になってきます。
例えば、コンビニのレジ打ちにしても、Aのレジに店員がおらず、お客様がBのレジに集中している状況を想像してみましょう。

Aのレジに店員がいれば、集中しているお客様を分散することができるので、結果的に約半分の時間でお会計を済ませることができます。
コンビニ内のチームワーク不足によって生まれる仕事の遅れを無くし、協力して進めていくには協調性が重要です。

正確性

上記の責任感・協調性はとても重要ですが、これからオンライン秘書を目指していく中で、正確性もとても重要なポイントになってきます。
上司から受ける指示を守り、ミスのない仕事が要求されます。

ミスの多い人は上司からの信頼を失ってしまいます。
あの人に仕事をお願いしてもミスが多いし…
と、仕事を任される機会を減少させてしまう原因になります。
ミスを無くすための自己チェックも正確性を高めるためのコツとなるので、意識して行動することが大切です。

補佐役としての心得

秘書の仕事は、上司の公務・私事を補佐することです。
上司が自分の仕事に専念することができるように、細かな仕事を受けることが秘書の主な役目となります。
次のような心得が必要になるので、詳しく見ていきましょう。

影の仕事の徹底

秘書の仕事は、裏方であることを最優先に自覚することが大切です。
上司より目立つ行動・服装は慎むようにしましょう。

指示を確実に実行

上司から受ける指示内容は、自分1人で勝手に判断せずに、指示通りに実行していくことが重要です。
疑問や問題点がある場合には、必ず上司に確認を取ることを忘れずに行いましょう。

上司を理解し意向に沿って動く

秘書は、上司の意向に沿った仕事をすることも求められてきます。
上司の性格・好みを把握し、行動パターンや仕事の仕方まで理解しておくと、上司との仕事関係を円滑に進めることができるでしょう。

人間関係のパイプ役

秘書の仕事には、上司と取引先などの関係者の間に立ち、人間関係づくりの橋渡し役となることが必要になります。
また、社内の各部署の関係者との人間関係を良好に保つことも重要です。
社内外のパイプ役としての立ち回りを詳しくみていきましょう。

社外の人とのパイプ役とは?

社外の人とのパイプ役とは、上司に関係した「お客様・業界関係者・報道機関」などのパイプ役になることです。
これは、誰に対しても公平に誠実な態度で接するように心掛けましょう。

社内の人とのパイプ役とは?

社内の人とのパイプ役とは、仕事以外のことでも親しく話すなど、交流を深めておくと、問題が起きた際に物事を円滑に進めることができる場面も出てきます。
仲間意識を持った態度で接するようにしていきましょう。

指示の受け方

上司からの指示は、メモを取りながら聞き、疑問点がある場合には最後に質問をするようにしましょう。
上司からの指示を正確に実行するために、以下の点に注意しましょう。

指示を正確に受けるためのポイント

  • 指示を受ける時には必ずメモを取る
  • 上司からの指示内容は最後まで聞く
  • 疑問点は指示の最後に質問
  • 指示の最後に要点を復唱確認
  • 2つ以上の指示は、優先順位を決めてもらう

指示を確実に実行するためのポイント

  • 指示内容は忠実に守る
  • 仕事の指定期日は必ず守る
  • 仕事途中の疑問点は、できる限り早めに確認
  • 自分勝手に判断して仕事をしない
  • 仕事結果は正しく報告

仕事が重なった・期日に間に合わない場合の対処法

上司からの仕事の依頼は、1つずつとは限りません。
いくつかの仕事を同時に依頼されることが多く、1人では期日に間に合わない場合も出てくることでしょう。
そのような時には、以下の対処法を実践しましょう。

仕事が重なった場合

  • 現在着手している仕事の進行具合を報告し、優先順位を求める
  • 2つ以上の指示のあった場合も優先順位を決めてもらう
  • 自分勝手に判断をしない

期日に間に合わない場合

  • 指示されたときに、期日に間に合わないと思ったら現状報告後、上司からの判断を求める
  • 仕事を引き受けた後に、期日に間に合わないと思ったときに、速やかに上司に報告して指示を受ける

上司が指示ミスをした場合の対処法

上司も完璧な人間ではないので、時には指示ミスをすることもあるでしょう。
秘書の立場をわきまえて、以下のような対応を心掛けましょう。

  • 上司の指示ミスを、自分の判断のみで判断・訂正・処理をせずに、必ず上司に確認する
  • ミスに対して批判口調にならないように注意し、ミスの指摘ではなく謙虚な態度で確認する

機密事項の重要性

会社の機密事項を守ることは、仕事をしている以上とても重要となります。
社内の他部署の上役・関係者であっても、機密事項を言うことはNGです。

曖昧な態度・思わせぶりをせずに、はっきりと「知る立場にない」と伝えることが重要です。

会社に関する機密事項とは?

会社に関する機密事項の判断は、報道機関に発表されていない会社に関する重要事項は全て機密事項と心得ておきましょう。
また、社内の人事異動・組織変更情報も取引先などに影響を与えてしまうこともあります。
機密事項に関する情報は、簡単に伝えないように注意しましょう。
会社に関する機密事項は以下のものがあります。

  • 人事異動情報・組織変更に関する事前情報
  • 企画や開発・新製品の情報
  • 会社の合併情報・新会社設立情報

上司に関する機密事項とは?

秘書は、上司のプライベートの情報も知る立場にあります。
以下のようなものは、漏らさないように注意しましょう。

  • 家族の情報
  • 病気に関する情報
  • 私的行動や交友関係に関する情報
  • その他の個人情報に関する情報(電話番号・アドレスなど)

信頼される秘書になるために機密事項を守る方法

信頼される秘書になるためには、機密を守り切ることが重要です。
普段の何気ない行動でも以下のような注意が必要です。

  • 誰に聞かれても、機密を知る立場にないとはっきり受け答えをする
  • 席を離れる場合は、机の書類を引き出しにしまう
  • 重要な書類は、保管・破棄までを慎重に扱う
  • PC画面に機密事項を表示する際は周囲に注意
  • 社外に持ち出す場合は、置き忘れに注意

確認問題

第1章で学んだことを確認してみましょう。