第1章:アドラーの予備知識

アドラーとは?

心理学3巨頭の1人

アルフレッド・アドラーは、20世紀初めに活躍した心理学者です。

心理学者としては「フロイト」「ユング」がよく知られている人物であり、フロイトは無意識を扱った心理学者です。ユングはさらなる深層にある普遍的無意識を研究していました。

アドラーも、フロイト・ユングと並ぶ、同時代の心理学者です。アドラーは、良好な人間関係を築くための「優れた理論」「心理療法」を打ち立てました。

最近でこそアドラーは注目を浴びていますが、それまではフロイトやユングに比べて、日本での知名度は決して高くはありませんでした。

しかしアドラーは、心理学の分野で「個人心理学(アドラー心理学)」を確立した心理学者と称され、他の2人とともに心理学3巨頭と呼ばれています。

アドラーは語った人

アドラーの個人心理学は、無意識・意識も全てひっくるめて「分割できない一個人」としたところに特徴があります。のちの多くの心理学者に影響を与えました。

アドラーの著作物は、決して多くはありません。アドラー理論の多くは、アドラー自身の講演活動や児童相談所などのカウンセリング活動で語られました。

そのような活動から、アドラーは「語った」心理学者といえます。

アドラー心理学とは?

勇気づける心理学

アドラーの提唱した個人心理学では、人間の人格は意識も無意識も分離不能と考えます。相手の長所に気づいても素直に認めなかったり、好きな人を困らせたり、人間の行動には矛盾が見られるものです。

このような行動も「欲求」を達成するためとみると、統一感が保たれています。上記の例でいうとライバルに負けたくない、好きな人に甘えたいという欲求です。

人間の誰もが持っている欲求は「目標に向かうこと」です。

アドラー心理学はその人の目的を知ることで、その人の行動を理解します。そしてその人の目標の立て方が誤っている場合には正しく修正して、その人が正しい目的に向かって歩んでいくための勇気づけをしていきます。

アドラー心理学は自分を変えられる

目標を達成しようと思っても、簡単にいかないこともよくあります。

それは、人間が社会で生きる動物であるからです。人間関係が良好でないと、摩擦が生じたり心がくじけて落ち込んだりすることもあります。

アドラー心理学は、そのようなときに自分を変えることで前に進めると教えています。自分を変えて一歩踏み出していきます。これがすなわち「アドラー心理学の勇気づけ」です。

確認問題

第1章で学んだことを確認してみましょう。

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